絵と本

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様々な『不思議の国のアリス』
Tove Jansson_Alice

トーベ・ヤンソン(Tove Jansson)といえば、『ムーミン』。
ヤンソンは、スウェーデン生まれのフィンランド人。
彼女は、フィンランド語版の『不思議の国のアリス』(1966年)
のために挿絵を描き下ろしている。本国ではすでに絶版。
ジョン・テニエル(Jhon Tenniel/イギリス)の挿絵を
見慣れている人たちには、違和感があると思う。
登場するキャラクターは、ヤンソンのイラスト独特の憂えげで、
どことなくさびしさが漂う雰囲気があり、この絵の世界が、
『不思議の国のアリス』だとイメージしている人たちも多くいたのだと思う。
日本では、ムーミンの声といったら、岸田今日子さんを思い浮かべるように
フィンランドでは、「アリス」といえば、トーベ・ヤンソンだったのかも知れない。
Alice_John Tenniel
『不思議の国のアリス』は、1865年に
ジョン・テニエルの挿絵を伴ってはじめて出版された。
この絵のトーンが、「アリス」の視覚的な世界観になっている。
初めの 印刷は2,000部だったそうだが、テニエルが印刷の品質に難色を示し
回収され、刷り直しをしたらしい。どのようなところが、気にいらなかったの か
テニエルの「駄目出し」に非常に興味がわくところ。
1860年代といえば、イギリスでは、ようやく「平版印刷*」がはじまったころ。
日本では、活版印刷がようやくはじまった時代だった。

『不思議の国のアリス』、『鏡の国のアリス』の挿絵をてがけたテニエルは、
イギリスの風刺漫画誌で、50年間にわたり多くの風刺漫画を手がけていた。
印刷の仕上がりには、かなりこだわりを持っていたのではないだろうか。

日本では、
金子國義、和田 誠の挿絵が、代表格だと思っている。

Alice 金子國義
矢田澄子 訳・金子國義 絵(1994/新潮社)

*平板印刷
文字どおり「平らな版」の上に、化学的な処理によって、
親油性の画線部と親水性の非画線部を作成して、
インキを画線部に乗せ、紙に転写する方式を「平板印刷」と言います。
現代では、「オフセット印刷」と同義で理解されているけれど、
「オフセット」とは、インキが版からゴム版に一度転写されることを指し、
本来は、「平版印刷」と言います。
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