絵と本

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ペンギンブックスのデザイン 1935-2005〈2〉
Penguin by design_5

マーシャル・マクルーハンの有名な、
『メディアは、マッサージである(The Medium is the Massage)』
もペンギンブックスから出ている。
(1967年発刊)
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ペンギンブックスのデザイン 1935-2005〈1〉
Penguin by design_1

「ペンギンブックス」の装幀といえば、
表紙の3色ストライプのデザインとペンギンのマークで有名。
1935年に設立された当時は、グラフィックデザイナーと
印刷屋さんの役割分担が、まだまだ曖昧だった時代。
そのような時代に、トレードマークとも言える水平に3分割された
装幀デザインは、今でも古びず、むしろ新鮮だ。
しかし、70年以上、数千冊のペーパーバックを
刊行し続けるその装幀には、様々なデザイナ−と
画家、イラストレーターが携わって来たことは
あまり知られていない。
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グレート・アイデアズ
Great Ideas 1
Graet Ideas of Penguin Books
Marcus Aurelius  -The Meditations-

ペンギンブックスは、
1935年に設立されたイギリスのペーパーバック文庫の出版社。
古典から現代小説まで幅広いジャンルをあつかっている。
今では「ペーパーバック」の代名詞とも言えるだろう。
すぐれた、装幀デザインでも知られている。
この中で、ひときわ目を引くのが、
「グレート・アイデアズ/Great Ideas」というシリーズ。
ルソー、ラスキン、フロイト、スウィフト、オーウェル…などなど、
今や「古典」となっている哲学思想書を
一般の人たちにも気軽に読んでもらおうと企画された。
このシリーズの大きな魅力は、タイポグラフィックな表紙デザインにある。

Great Ideas 4

シリーズの装幀で使用されている書体は、
伝統的な基本書体から、古典書体を現代風に解釈したり、
手書きの書体も登場する。
この自由な「書体」の使い方と文字組のセンスはすばらしい。
漢字文化の我々にはない発想と技術がある。

デザインを手がけているのは、ペンギン社内の
アートディレクター、ジム・スタッダート、
デザイナーは、デヴィッド・ピアーソン。
曰く、
思想哲学は、主観の問題だから、
カバーに何らかの図像を入れると意味づけをしていまい
読み手に影響を与えてしまうためタイポグラフィーによる
表現に徹したそうである。

Great Ideas 3

それは、間違えれば無味乾燥なデザインになる可能性があるが、
ディティールへのこだわりが、この仕事の成果を決定づけている。
上質紙系の風合いのあるオフホワイトの紙に、文字を型押し加工。
これが、「活版印刷」を思いおこさせトラディショナルで
スタンダードな演出でありながら、新しさを感じさせている。
最終的に、PP加工などビニールのコーティングを施さないことは、
書店には嫌がられるが、手になじむ質感を残すことで
この装幀シリーズを成功へと導いている。

このシリーズの第一弾は、2004年の9月の発売から、
1年あまりで200万部を越える大ヒットとなったそうだ。

Great Ideas 6
Sir Thomas Browne - Urne-Burial-

現在、第四弾まで、シリーズは発刊している。

Great Ideas
Series 1
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