Graet Ideas of Penguin Books
Marcus Aurelius -The Meditations-
ペンギンブックスは、
1935年に設立されたイギリスのペーパーバック文庫の出版社。
古典から現代小説まで幅広いジャンルをあつかっている。
今では「ペーパーバック」の代名詞とも言えるだろう。
すぐれた、装幀デザインでも知られている。
この中で、ひときわ目を引くのが、
「グレート・アイデアズ/Great Ideas」というシリーズ。
ルソー、ラスキン、フロイト、スウィフト、オーウェル…などなど、
今や「古典」となっている哲学思想書を
一般の人たちにも気軽に読んでもらおうと企画された。
このシリーズの大きな魅力は、タイポグラフィックな表紙デザインにある。
シリーズの装幀で使用されている書体は、
伝統的な基本書体から、古典書体を現代風に解釈したり、
手書きの書体も登場する。
この自由な「書体」の使い方と文字組のセンスはすばらしい。
漢字文化の我々にはない発想と技術がある。
デザインを手がけているのは、ペンギン社内の
アートディレクター、ジム・スタッダート、
デザイナーは、デヴィッド・ピアーソン。
曰く、
思想哲学は、主観の問題だから、
カバーに何らかの図像を入れると意味づけをしていまい
読み手に影響を与えてしまうためタイポグラフィーによる
表現に徹したそうである。
それは、間違えれば無味乾燥なデザインになる可能性があるが、
ディティールへのこだわりが、この仕事の成果を決定づけている。
上質紙系の風合いのあるオフホワイトの紙に、文字を型押し加工。
これが、「活版印刷」を思いおこさせトラディショナルで
スタンダードな演出でありながら、新しさを感じさせている。
最終的に、PP加工などビニールのコーティングを施さないことは、
書店には嫌がられるが、手になじむ質感を残すことで
この装幀シリーズを成功へと導いている。
このシリーズの第一弾は、2004年の9月の発売から、
1年あまりで200万部を越える大ヒットとなったそうだ。
Sir Thomas Browne - Urne-Burial-現在、第四弾まで、シリーズは発刊している。
Great Ideas
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